「Sound of the goldenwitch」頒布記念企画
 
dai×ラック眼力-うみねこ音楽スタッフ対談!!〈後編〉

 『Sound of the goldenwitch』頒布に伴いCircletempoより「うみねこのなく頃に」
 音楽スタッフ様との対談を企画! 今回の後編ではお二人の作曲にまつわる
 エピソードから今後の展望までをまとめた内容となっております。

 トークゲストは前回と引き続き、このお二人です!

 >>>話し手はこの2人!
           dai

 「うみねこのなく頃に」のBGM作成を初め、
 各音楽担当と制作サイドを繋ぐパイプ役、
 デバッグ作業担当として活躍中。「ひぐらし
 のなく頃に解」や「うみねこのなく頃に」で、
 人々の琴線に触れる様々な名曲を残す。
 感動的なピアノ曲だけに留まらず、色々
 なジャンルで音に心の込められる作曲者。
         ラック眼力

 「うみねこのなく頃に」音楽スタッフの一人。
 主に「魔女の雰囲気」や「怪しい気配」を
 醸し出す楽曲を提供している。
 今作はそれまでのイメージにプラスして、
 感じたままのうみねこの世界を表現している。
 文責・ナカオボウシ

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dai ラックさんはメロディを持ってますよね。それに色々な曲調のモノを作られる。
眼力 ミスター・メロディから、恐れ多いお言葉を!!
dai ミスター・メロディ……?(苦笑)
眼力 いやしかし、色々な曲調~という面では、
FFで言う赤魔道士的になっちゃってないか心配だったりするんですけどね。
dai レベル7まで育つ赤魔道士だったり。
眼力 ケアルダが使えるくらいにはなりたいです。
dai 今回のアルバムでは、かなりなんでも出来ちゃってますからね。
眼力 レベルはともかく、何でもやる人なのかな~とは思っています。
dai 自分の作れない曲を作ろうとすると…模倣といいますか。
『作』るという方向になってしまいがちですが。ラックさんはそれを
しっかり自分のものにして、『創』るという事をしていらっしゃるように感じて。
眼力 それは嬉しいです。模倣にならないように、とはいつも心がけているので。
dai ラックさんのすごい所のように思います。
眼力 飽きちゃう…とはちょっと違うんですが。
毎回同じニュアンスの曲を書く、というのがどうも苦手で。
dai お腹一杯になっちゃうんですかね。
眼力 そうなんです(笑) だからHRをやったら、次はJAZZ書きたいな…
という風に気持ちが移っていって。
dai 良いローテーションだと思いますよ。
眼力 daiさんの場合も、ピアノ感動曲のイメージが強いと思うのですけど、
それ以外の曲も自分は凄い好きなんですよね。
dai ありがたいです。
眼力 本当に沢山あるんですが。
例えば『air pizz』のような楽しげな曲だったり。
dai ああいう曲、書きたいですね。
眼力 daiさんの曲には、色々な素材が混ざっていると感じます。
それが素晴らしい効果を発揮してると思うんですよね。
dai そうですか。
眼力 しかし『混ぜる』のが料理になると…(笑)
dai (笑)
――
眼力 daiさんは数多く曲を書かれていて、人気の高いものが多いわけですが、
その中でもやっぱり『you』が特にもの凄い人気があって。自分も大好きなんですけど。
『you』しか知らないファンの方に、daiさんには他にも素晴らしい曲が沢山あるぞー!
って、個人的には紹介して周りたくなります(笑)

daiさんはそんな気持ちにはなられることないですか?
dai いやいや(笑)未だに『you』を誉めてくだされば光栄なことと思っておりますよ。
聞いて下さる方に楽しんで頂くというのが一番にありますから。
眼力 聞いて下さる方のニーズ…。
dai 難しいですよね。自己満足と人に楽しんで頂くという所が共存できれば、
それが理想的ではあるんでしょうが。
眼力 最高ですね。
dai 大前提として、それが自分の作りたい曲って事が無ければダメなんだろうし。
そこをどうやって融合させていくか、というのは本当に難しい問題で…
EP2までは、その辺りを意識して作ってた所がありました。
眼力 EP3からは、逆に意識しないで?
dai ええ。
制約を持たない状態で作ったわけだけど、それで良かったのかな…とも思います。
眼力 EP2の頃は試行錯誤されていたんですかね。
dai そうですね。だから感情に任せて作った曲なんかもありました。
Answerなんかは、些細な部分ですが、あえて音楽的に嫌われる音を
入れて『感情』を全面に押し出そうとしたり。
眼力 そうなんですか。
dai 一瞬、所々ではあるんですよ。
こういう要素は、今、客観的に見ると…そうですね。
怒ってる人が感情の行き場を無くして物を投げた感じになっていたというか。
眼力 なるほど。確かに、楽曲にそんな激しさを感じました。
――今後はどんな音楽を書いていきたいですか?
dai オーケストラを勉強したいなぁ、と思いつつ。
そこになにか面白さを入れたようなものを作っていきたいです。
眼力 エンターテインメント性を取り入れていく、といったカンジでしょうか?
dai というより、音楽理論よりもメッセージを伝える事に重点を置くというか。
そういった音楽を、理論に基づいた上でやっていきたくて。
眼力 理論ですか。
dai 理論を理解した上で、理論を破る…という感じですかね。
それを目指していきたいと思うから…やっぱり理論の勉強をしなきゃなと思ってます(汗)
眼力 素晴らしい。
dai ラックさんは?
眼力 自分は、ノベルゲームに限らず色々なゲームジャンルの音楽も書いてみたいですね。
dai それは意外ですね。
眼力 やっぱり自分はファミコン~SFC世代で、
動的なゲームの音楽に影響を受けている所が多々ありますから。
たとえばアクションゲームとか、そういうのも書いていけたら面白いかなぁと。
dai ノベルゲーム向けの音楽も合うと思いますが、
サソリのノウズイなんかを聞いてると、それも分かる気がします。
――終わりに(余談)
眼力 今、ファミコンの話が出たので聞いちゃいますが。
daiさんの一番最初に買ったファミコンソフトって何なんですか?
dai 自分が最初に買ったのは……ベースボールですかね。
眼力 あぁ…あれのOPの曲好きだなぁ…。ちなみに、自分は鬼太郎です。ゲゲゲの。
dai 名作だ…。
眼力 ファミコンには夢がありましたよね。
dai ○○3で、キャラクターをバグらせて○ラ姫にしてみたり。
眼力 あったあった(笑)ファミコンのバグは、ロマンで溢れていた…。
dai ファミコンを冷凍させてバグを誘発させる、みたいな。流行りませんでした?
眼力 いや、そこまでは(笑)
 ※注)daiさんの実験的創作料理はM.Graveyardブログ等を参照。



 SOTGの見所から日常の話に至るまで、和やかな雰囲気で話し合っていたご両人でございました。
 最後に、インタビューに協力して下さったdaiさんに心から感謝の言葉を述べさせて頂きつつ、
 このインタビュー企画を締めたいと思います。本当にありがとうございました!



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