世界と舞台のこと
 更新期間の予定最終日から、大分時間が過ぎてしまいました。10月に入ったことで、最近は次作Lv.2のアイディア出しに熱中しています。それが更新が滞っている主な原因です。ひとつに集中するとそればかりになってしまうのは、僕の悪い癖ですね。

 W-Standard,Wonderlandの『世界』には3つの「舞台」が存在します。それは「ワンダーランド編の舞台」「異世界編の舞台」「神視編の舞台」の3つです。しかしこの世界には“現実”と“架空”という『似通う世界』が混在するからややこしい。
 本作に登場する『世界』は架空世界と現実世界の2つ。この2つの中に、3つの「舞台」が存在している状況となります。この物語に登場する3つの「舞台」は、以下の『世界』に分類することが出来ます。
 


 ワンダーランド編は架空世界における遠い未来。異世界編は架空世界の過去の物語。架空世界の時間の基軸となる神視編だけが現実世界に属しています。
 竹井塔人の想念が人類存続の可能性を呼び起こし、結果として“無かったはずの”過去と未来が発生した。現実を基軸とする架空世界は、現実世界とは比べものにならないほど――ひとつの選択が摂理を大きく歪ませてしてしまうほど――脆いです。実際のところ、竹井瑠衣が事の真相を察知し、竹井塔人が発生。零次とトトが真実を知るキッカケを得る流れの中で、架空世界は一度正常を保てなくなった結果として崩壊を迎えます。


 “また違う”架空世界の上でトトが目覚めてからは、零次とトト。それぞれが異なる時間上の架空世界を歩んでいくこととなります。二人が異なる時間に存在することを示すものとして「架空世界の同時間内を視点移動出来る」懐中時計機能はここで使用不可能となります。
 

 古河零次が自我を取り戻し、狼狽し。自分捜しの旅に出るこの世界。竹井塔人が存在する点と、零次がやがてトトの存在を思い出す点からも、ここは崩壊を迎え再び発生した架空世界の“過去”と捉える事が出来るでしょう。
 

 気になる謎投票において現在最も投票数の多い「ワンダーランド編世界の変化について」は、この辺りが重要なヒントとなります。
 

 葦野里において、自然と円奈と会話を続ける塔人(=俺)
 

 現実において彼は、携帯さえも持たなかった(僕と一緒!)機械音痴です。唯一触った事があるのは、小学校の頃母親に持たされていたポケットベルのみとのことでした。
 

 再生以後のトキアラント世界でも、ポケットベルは連絡手段として登場します。
 マラガスやエバンナが常用していることは、作中からも見て取れます。
 

 繰り返しますが、この時レールから外れ“俺”と認められなかった存在は零次。
 “俺”と認められていたのは塔人です。
 

 “その架空世界”における、未来がこちら。連絡手段としてポケットベルが登場し、トキアラント城下町の広場には過去人の遺物を元にして作られたヒロちゃん像が存在しています。
 
 疑問に感じられましたでしょうか。
 崩壊してしまった架空世界。ゲーム冒頭に存在していたワンダーランド世界の“過去”とはどこかと。
 

 Lv.1を語る中心地となった、この架空世界と考えるのが自然ですが、
 

 当初のワンダーランド世界には、天野円奈が影響を与えたと考えられる「ヒロちゃん像」の言及が見当たりません。仮に元々トキアラント城下町にヒロちゃん像が存在していた場合、葦野里ではじめてヒロちゃんの看板を目にしたポッケとトトの反応は違ったものとなっていたはずでしょう。
 崩壊した架空世界の“過去”と“未来”に共通して語られる事項は、実は多くありません。皆様はその限られた存在を、物語のトリックスターと疑うべきでしょう。
 
 
 
 その人物は置き手紙を遺し、エバンナのもとを去ったとされています。
 そして昭和64年。昭和と平成の過渡期に“非現実的な”死を遂げました。
 
 ・・・
 
 どこまでを補足情報として伝えるべきかは、Lv.2以降の進行に関係してくるので非常に悩ましいところでした。婉曲的な物言いばかりとなり、すみません。
 しかし「ワンダーランド編世界の変化について」は、投票一位を獲得した場合には、ゲーム形態で補講を行わせて頂きます。ゲームにした方が、僕もお伝えしやすいかもしれません。

 「ぼくらの編集後記」は一体、どれだけの人に読んでもらえたのでしょうか。ともかくも、興味深い内容をお届け出来ていたならば本望です。僕自身は楽しみながら、更新することが出来ました。読んで下さった皆様、本当にありがとうございました。またトト達に心を篭める形で、皆さんと時間を共有出来る日を楽しみにしています。
 その日までこれを読んでいる皆さんも、どうかお元気で!

2015.10.14 ナカオボウシ

さようなら!

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